心の回復を「4つの期」で見る

不登校で1年以上悩まれている方は、このページをまずはじめに見てください。
一般的には、不登校の回復プロセスは7段階に詳しく分かれていたり、文部科学省が4つの時期に分けて出されているものもあります。どちらも回復過程においてそのような道筋を辿るのは間違いありません。
ただ、子どもの行動だけを単体で見ていくと、今自分の子どもがどの時期にいるのかわからなくなっていきます。
お子さんによって、プロセスの最初の段階であっても部屋に引きこもらない、昼夜逆転も見られない、「暇だ」といった回復が進んだ時に見られる言葉をいうお子さんもいるからです。
また、回復の時期は「この言葉が出たから今はこの時期」「この行動をしているから今はこの時期」といったように白黒はっきりつけられるものではなく、グラデーションになっています。
大事なのは、お子さんそれぞれの特徴を、不登校になり始めた時期から今までを点として見るのではなく、一連の流れの中で判断していくことです。そのため、ここでは不登校のお子さんの心の回復を、わかりやすく4つの期に分けて表しています。

4つの時期について、1つずつ学んでおきましょう!
Step1 パニック期

この時期
不登校になり始める時期、そして不登校になって本格的に家にいる時間が多くなってからしばらくの間です。
「しばらくの間」という明確な期間を設けないのは、人によってこのパニック期の長さが違うからです。(震災にあった人のパニック期は5年とも言われています)
特徴
出来事が起こって間もない、または時間が経過しても、思考や感情が整理されておらず、行動も不安定な状態です。
不登校での様子
学校にいけない理由を聞いても「わからない」といったり、無反応・無言だったり、たくさん理由を言ってくれるが、解決しても学校にはいけない、などの特徴があります。
できる関わり方
挨拶や日々の日常会話をすること。学校のことを話しても、アドバイスせず、まずは話を遮らずに聞くことです。
とてもシンプルで「これで本当に大丈夫なのか」と不安になりますが、パニック期では、学校にいけないこと・みんなと同じことができないこと・親に迷惑をかけているかもしれないといった罪悪感や不安、自己否定などさまざまな感情が心や頭の中で大きなウエイトを占めています。
それらを小さくする上でも、理に叶っている行動になります。
Step2 底値低迷期

この時期
パニック期を終えて、訪れる時期です。
特徴
エネルギーが不足しており、動けない状態にあるか、逆に動き過ぎる時期です。感情も不安定で、機嫌がいい時もあれば荒れる時もあります。
不登校での様子
家にいて昼夜逆転が始まっていてゲームなどをしている時期だったり、頑張って学校に行く・親がサポートすると行く、でもまた行けなくなる、を繰り返したりします。
できる関わり方
パニック期と同様に、挨拶をする・日々の日常会話をする・学校などの話は遮らず聞ききる、です。
底値低迷期は、お子さんの感情が揺れます。その揺れを、日常会話や挨拶を続けることで「認めてもらえた」感覚が育っていき、次の底打ち・回復初期へと移行していきます。
ここで気をつけたいこと
親御さん側が我慢して見守っていたり、なんらかのストレスを抱えていると、お子さんの揺れ動く気持ちを「認めてもらえた」感覚が育たず、回復時期が伸びていきます。
Step3 底打ち・回復初期

この時期
不登校になってから今までの中で、「なぜ不登校になったのか」その原因などに、なんとなく腑落ち感があり、感情も安定しています。「あと一歩、もう少しで」という感覚が強くなります。
不登校での様子
外の世界に興味を持つ、お子さんの口から「外に出たい」欲求を口に出す、お子さんによっては「学校に行く」など伝えてくれる場合もあります。また、昼夜逆転を自分でコントロールできる兆しも見えてきます。
できる関わり方
明るい兆しが見え、親御さんにとっても嬉しくなる時期ですが、まだ回復初期なので「いつでも今の環境に戻れる」ことを前提に関わります。
今まで続けてきた挨拶や日々の日常会話を続けながら、お子さんが今どんな気持ちでいるのか、これからどうしていきたいと思っているかなど、お子さんの現在地を無理をせず聞いていき、親御さんの考えも踏まえながら確認していきます。
注意すること
親のペースで進めないこと。
そして、行動しても後退する波があるということを頭の片隅に入れておきます。
社会に少しづつ出ていっても、疲れたらいつでも戻れることが大切です。いつでも戻れる安心のベースが家庭にあるからこそ、外に出られる行動につながっていきます。
幼児が意気揚々と外の世界にいき、石につまづいて転び、お母さんのもとでたくさん泣いて、受け止めてもらえて、安心して、また外の世界にいく——そんなイメージです。
Step4 上昇期

特徴
悩みのレベルが違う次元になります。例えば、パニック期での悩みのレベルが「人が怖い」だったとすると、上昇期では「高校どうしようかな」など、全く別のものになっていきます。
できる関わり方
この時期もいつでも戻れる環境や日々の会話を大切にしながら、ここで初めて、お子さんの状況に合わせて親御さんからのアドバイスが有効になる時期です。
お子さん自身がアドバイスに耳を傾けられるだけの余裕が生まれていきますが、そのアドバイスを実行するかはお子さんに委ねます。
学校に戻る時には、お子さんが不安に思っていることなど、なるべく話し合う中で見つけて、学校と連携しながらお子さんが安心して過ごせる環境づくりを優先してください。
また、復学の目標もそのお子さんの基準ですり合わせをしていきます。
例えば、クラスには戻れないから、中間教室やサポート教室を利用する。
午前中だけ行くなどです。
どんな目標を立てていくかはお子さんにとって、少し頑張ればできる程度です。
脳科学では、
- コンフォートゾーン
- ラーニングゾーン
- パニックゾーン
があります。
パニックゾーンの目標を立ててしまうと、文字通り脳がパニックになり、どうしたらいいかわからなくなって行動が止まっていきます。
以下の図をご覧ください。

目標の立て方
上の図の円の中心から少し外に出る(=少し頑張る)を目標にする
例えば午前中だけ学校へ行くとなった時、それでも厳しいと感じたら、その目標を落とします。
世間一般的に言われている物差しではなく、お子さんの基準で決めます。
お子さんによっては、回避したいものがたくさんあったとしても配慮できる範囲で可能な限り配慮してください。
配慮しすぎたら、社会でやっていけなくなるなどの心配する声がありますが、自然と少しづつ乗り越えていけるようになります。
自転車に乗っている人は補助輪をつけて乗っている大人は見かけないですよね。
でも多くの人は自転車に初めてのった時、補助輪がついていたり、後ろで支えてくれたお母さん、お父さんがいました。
練習をしていくうちに、補助輪なしでも漕げるようになって、快適に走れますよね。
最初は、配慮する部分が多くても、時間の経過とともに、お子さんも成長していくので、だんだん配慮が要らなくなっていきます。
一つだけ注意するなら、親がお子さんの意見を聞かず想像だけで先回りして配慮をすることです。
配慮をする場合必ずお子さんと意見を擦り合わせてください
回避したいのは、お子さん自身が辛いのに、助けを求めることができず、またストレスを溜めてしまうことです。
家から出た先に安心の場所がある。
助けを求めたら応えてくれる。
これをお子様に体験させてあげてください。
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不登校専門 心理カウンセラー
萩野和美
