「褒めても、共感しても変わらなかった理由」不登校の自己肯定感が本当に育つ関わり方

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【この記事について】褒めても、共感しても、子どもに響かない」——それは頑張りが足りないからではありません。テクニックの奥にある無意識の前提に気づくことで、不登校の子どもとの関わり方は驚くほど変わります。エピソードを交えてその理由と方法をお伝えします。

「自己肯定感を高めてあげたい」。そう思って、褒めてみた。共感してみた。それでも、何も変わらなかった。それどころか、余計にこじれてしまった気がする——そんな経験はありませんか。

「褒めても」「共感しても」しんどくなった

不登校のお子さんを持つお母さんなら、一度はこんな場面に心当たりがあるかもしれません。

「自己肯定感を高めるには褒めるといい」と聞いて、意識して褒め言葉をかけてみた。
けれど子どもの反応は薄いか、むしろ「次も頑張らなきゃ」というプレッシャーになってしまっているように見える。
褒めれば褒めるほど、子どもが疲れていく。

小さな成功体験を、と思ってお手伝いを頼んでみた。
でも子どもはそもそもやりたがらない。
「いいからやってみよう」とつい背中を押してしまい、結果として反感を買ってしまった。

気持ちに寄り添おうと、「そうなんだね」「つらかったね」と共感の言葉をかけた。
それなのに返ってきたのは、「お母さんは学校に行かせたいだけでしょ」「お母さんには私の気持ちなんてわからない!」という言葉。

一生懸命やったはずなのに、なぜか届かない。
それどころか、やればやるほど溝が深くなっていく気がする。
もしこれに心当たりがあるなら、まずお伝えしたいのは、あなたのやり方が下手だったわけではない、ということです。

なぜテクニックだけでは届かないのか

褒める、成功体験を作る、共感する。
どれも、不登校の子どもへの関わり方としてよく紹介される方法です。
実際、間違ってはいません。
けれど、これらの方法を試しても「効かない」ケースがあるのには理由があります。

実は子どもは、言葉そのものより先に、その言葉の奥にあるものを感じ取っています。
褒める言葉の奥に「早く元気になってほしい」「学校に戻ってほしい」という願いが透けて見えたとき、子どもにとってそれは「褒められている」のではなく「期待されている」ことになります。

お手伝いの奥に「自己肯定感を上げたら学校に行けるかもしれない」という焦りが見えたとき、それは「頼まれごと」ではなく「やらされごと」になります。

共感の言葉の奥に「早く学校に行ってほしい」という本音が見えたとき、その共感は子どもにとって、共感のふりをした説得に感じられてしまいます。

つまり、テクニックそのものが間違っているのではなく、そのテクニックを使っている母親の中にある前提——「早く学校に戻さなきゃ」「私の育て方のせいだ」「ちゃんと自己肯定感を上げてあげなきゃ」といった、意識していない思い込み——が、言葉や表情、声のトーンとしてにじみ出てしまう。

子どもは、その一番奥にあるものに反応しているのです。

「頑張って受け止める」ほど、消耗してしまう理由

これは、私のところに来られる方にもよく見られるパターンです(いくつかのケースを組み合わせてお伝えします)。

昼夜逆転してしまったお子さんを、「そのままの状態を受け止めよう」と決めて、頑張って認めようとする。

しばらくは、それでなんとかやれる。
けれど、その頑張りが続くうちに疲れが溜まっていき、限界がきたところで、ふとしたことで怒りの感情が噴き出てしまう。

これは、頑張りが足りなかったのではありません。
「受け止めよう」とする行動そのものは変えられても、その奥にある「本当は早く元の生活リズムに戻ってほしい」「このままで大丈夫なのだろうかという不安」といったこちらの気持ち(心の前提)は、そのままだったからです。

表面の行動を変えながら、根っこにある不安や焦りをずっと抱えたまま踏ん張り続けている状態は、当然エネルギーを消耗します。
そしてエネルギーが切れたとき、抑えていたものが一気に出てしまう。

頑張って「ありのまま」を受け止めようとすればするほどしんどくなる、というのは、実はとても自然なことなのです。

テクニックの前に、変えられる場所がある

ここまで読んで、「じゃあ、どうすればいいの」と思われたかもしれません。
答えは、テクニックをもっと工夫することではありません。
テクニックを使っている自分の中にある前提——潜在意識にあって、自分でも気づいていない思い込み——に、まず気づくことです。

「早く学校に戻さなきゃ」という前提が「今のこの子のままでも大丈夫」という前提に変わったとき、褒め言葉は同じでも、そこに滲む空気が変わります。

「私の育て方のせいだ」という前提がゆるんだとき、共感の言葉は同じでも、そこに含まれる説得の気配が消えます。
前提が変わると、テクニックを頑張って使わなくても、自然と関わり方そのものが変わっていきます。

気合いや根性で「今のこのこのままでも大丈夫!」と思い込んでも、そうとは思えない気持ちは自然と湧いてきます。

これは、気合いや根性で変えられるものではありません。
なぜかというと、「ありのままでいてはいけない」という学習をこれまでの人生の中でたくさんしているからなんです。

多くの場合、自分ひとりでは気づきにくい潜在意識の場所にあるからこそ、そこに一緒に光を当てていくプロセスが必要になります。

まとめ

褒めても、共感しても変わらなかったのは、あなたの努力が足りなかったからではありません。
テクニックよりも多くの影響を与えている、気づかれないままの心の前提が、そのままだったからです。

もし、「頑張っているのに、なぜか届かない」「頑張るほど消耗してしまう」と感じているなら、一度そのテクニックの手を止めて、自分の中にどんな前提があるのか、一緒に見つめてみませんか。

FAQ(よくある質問)

褒めても子どもの反応が薄いのはなぜですか?

反応が薄くてもお子さんの心にはちゃんと届いています。ただ褒めることは、「褒めれたからいい、褒められないのいけない」という思い込みが作られやすいので、「〇〇してるね」という実況中継の言葉がおすすめです。

気持ちに共感しているつもりなのに、「わかってない」と言われてしまいます。なぜですか?

共感の言葉の奥に「本当は学校に戻ってほしい」「共感したら、子どもが元気になって学校に戻るよね」という本音があると、子どもはそれを敏感に感じ取り、共感を説得の一種として受け取ってしまいます。言葉のかけ方を変える前に、その言葉の奥にある前提を見直すことがポイントです。

頑張って「ありのまま」を受け止めているのに、疲れると爆発してしまいます。私の頑張りが足りないのでしょうか?

頑張りが足りないわけではありません。表面の行動を変えながら、根っこにある不安や焦りをそのまま抱え続けていると、エネルギーは着実に消耗していきます。爆発してしまうのは、努力不足のサインではなく、限界のサインです。まずはそのしんどさがあることを認めるところから始めてみてください。

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